2014-10-29から1日間の記事一覧

山の中の病院での闘病生活

32歳のとき、僕は統合失調症と診察されました。それは僕にとって、青天の霹靂。寝耳に水でした。かつては忌まわしい名前で呼ばれていたあの恐るべき病気。それにいま、自分がかかっている。諜報部員・カールも実は僕の妄想で、実在しないという真実。僕はそ…

審判の日

ついにその日はやってきた。無謀な転職活動を続ける僕に、いよいよ家族はことの重大さに気づき始めました。いまは別居中の妻と、母に両腕を掴まれて、Oクリニックに連れて行かれたのです。その日は大手出版社の最終面接の日でした。「おれは病気なんかじゃな…

タオ、ヒーリング、気の先生など癒しの世界を珍道中

とにかく、精神科医はあてにならない。自分の意見しか言わない。こっちの気持ちまで降りてきて、寄り添ってくれる人は皆無です。私が唯一信用している医者は、東京郊外の街の町医者・OクリニックのO先生だけです。そんなこと言うと、とても偉大な方のように…

転職戦線、異常あり

履歴書には、健康状態を記載する項目があります。ふつうみんな「良好」と書くのが、一般的です。しかし、そこに僕はいつも、絶好調と書いていました。当時、「絶好調男」ともてはやされていた、元巨人軍・中畑清のキャッチコピーです。もうこの時点でおかし…

精神病患者に対する友人、同僚の反応

大日本印刷出張校正室での失態から1週間、僕は自宅待機となりました。なんだか、夢を見ているようでした。「おまえはノイローゼだ」と編集長にみんなの前で言い放たれ、逃げるように印刷所から遁走した僕。そのときは、自分は少しおかしいのかもしれないと思…

数字の「2」の意味がわからなくなる

僕がとうとう自宅謹慎になったときの話をしましょう。ある夜、僕は大日本印刷の出張校正室という部屋にいました。出張校正とは、雑誌が印刷される寸前に、印刷物の文字などをチェックする作業です。土壇場の作業ですから、あるときは怒号が飛び交うなど、修…

神経症と誤診された僕・・・。

曲がり角を直角にしか曲がれない僕。自動ドアが開くのが怖くて、入り口で足踏みしていた僕。留守中にコンセントが発火して大火事になるのが怖くて、家を出られなかった僕。いつも寝不足でぼくやりとして、性的不能に陥った僕。トイレの便座の雑菌が怖くて、…