「とらわれない生き方」を模索する僕がとらわれたカネという魔物

般若心経で僕の人生は少しだけ変わりつつありました。

エリート意識プンプンだった、奢りの塊のような自分。
プライドだけ高くて、周囲と壁を作り、そのくせ、人に認められない自分に孤独感を感じていた自分・・・。
ちょっとした人の反応に過敏になり、相手を攻撃してしまう、傲慢な自分。

そんな僕は、統合失調症を患い、山の中の病院で治療をするハメになりました。

退院後、後遺症とも言える、強迫観念とうつ症状で、復帰した職場もすぐに退社へと追い込まれました。

僕はバブル世代のど真ん中。
ぶいぶい言わせていた頃には、年収も人並み以上で、金遣いがたいへん荒かった。
酒、メシ、ファッション、遊興費は跳ね上がる一方。

そんな折、病気になって、ひきこもりへと向かっていったのですが、
病気が良くなってきた頃には、バブルが崩壊。

しかし、病気だから、バブル崩壊もよくわからない。
失業して、何もしないで暮らしているので、ヒマ。
カネを使うしか、ほかにヤルことがない。

きっかけは正社員時代に、銀行に言われるままに作らされた何枚かのクレジットカード。
収入が多かった時代は、勝手に銀行口座から引き落とされているけれど、カネがなくなると当然、口座はショートします。
ショートすると、キャッシングして、それを補填します。
最初は、2万、3万の世界だった。
それがリボルディング払いなどと重なると、半年ぐらいで、カードが足らなくなりました。それでサラ金に手を出す。そしてまた使う。
もうアル中と一緒でしたね。
カードを作ればカネが手に入る、するとそれで口座を補填して余ったカネでまた遊興する。

その頃は、般若心経はぼちぼち読んでいたけど、
カネのパワーにはまだ敗けてしまうのです。

地獄ですよ、はっきり言いまして。
般若心経は「とらわれない生き方」を提唱します。
それはわかっているのだけど、カネの力というのは空恐ろしい。
ほんとに敗けました。
この時代はまだ、般若心経の教えの欠片もわかっていなかったんだと思います。

カネの恐ろしさについての、このへんのところは、またおいおい話していきますね。