【禅語】泥に入り水に入る(でいにいりみずにいる)〜「リーダーになる人の武器としての禅の名言」より

「利他」の心で自分の心も洗う。


人を救うためには、泥にも入り、水にも入る――。


そんなお人好しでは世の中渡っていけないよ、
と思う方はいるかもしれません。

たしかに、人助けの行為はたやすいことではありません。

それでもなおかつ、このような行為が人の心を動かすのは間違いありません。

よくギブ・アンド・テイクとか、
お互いの利益が合致した関係をWIN‐WINなどといったり聞いたりします。

損得勘定を考えたら、もちろんそれが正しいです。
仏教では、他者のために尽力することを「利他」と呼びます。
もちろん相手の幸せを願う気持ちであることは間違いありませんが、
「利他」にはほかにも優れた点があります。

修行僧が「利他」を行うのは、
相手の幸せを願うと同時に、
自分のエゴ(自己愛)を洗い落とすという意味があります。

「おれがおれが」と人を押しのける気持ちを鎮めることです。
「おれがおれが」の発想では、
他人は共感したり協力してくれることはありません。
「おれがおれが」の発想の人は、
決して人から愛されたり、尊敬されることがありません。

それは自分にとってマイナスです。
さらにエゴを押し通そうとすると、
他人から排除され苦しい立場に陥ります。
最近は、災害などによる被災者の方を
積極的にサポートする人々も増えました。

リーダーとなる人はこの「利他」を実践することで
得るものは計り知れませんし、
実際、優れたリーダーに「利他」の行為を
よく見かけるようになりました。

相手の幸せを願えば、結局自分もハッピーになってしまうのです。