あなたにもできる! 本を書くこと。僕にもできた
チャンスは身近なところに
病気になって、失業して、友人も、家族も失った僕。
失意のままになんにもしなかった10年間。
やっていたことといえば、般若心経を読むことだけ。
そんな生活をおもしろいと言ってくれる唯一の友がいました。
その友はフォレスト出版という出版社の編集者T君でした。
思い出します。あれは、赤坂のパプのような飲み屋でした。
「◯◯さん、あなた、この10年、何もしてないと言ってだけど、
けっこうおもしろい体験してるじゃん。
おれは、あなたに何かを書かせたい」
T君は僕をそう励ましました。
「いやー、おもしろいものなんてないよ。
おれなんか何のとりえもないつまらん人間だよ」
僕は力なく言いました。
「そんなことないよ。難しい病気になった事自体、
珍しい体験だよ。あなた、いま、世の中について、
何か言いたいことはない」
「うーんあるにはあるけど・・・
おれ、世の中に適合できなくて、
自己嫌悪を感じていたんだけど、
もしかしたら、世の中も変なんじゃないかと思えてきた」
「それだ、それを言おう。隠すことなく、ぶちまけよう」
「どうやって?」
「ただ、ぶちまけただけではだめだ。何かテーマがないと」
それが般若心経だったわけです。
それしか知らなかったから。
僕は般若心経を読んで、世の中について考えたことを本にしました。
それが「ロックンロール般若心経」です。
ひとつのテーマを掘り下げれば、誰でも本が書ける
いま、書籍や電子書籍をたくさん作っている僕ですが、
僕のように突出した才能がない人間でもできたのだから、誰にでも本は書けると思います。
そうです。
だれでも、自分の思いを世に問うことはできるのです。
大切なのは、「軸」だと思います。
情報は日々、めまぐるしく流れていきます。
必要なのは、その情報の流れに「杭」(くい)を打つことです。
自分なりの「杭」でいいと思います。
セックスが好きなら、セックスという「杭」を打ち、セックスという視点から世界を見る。
ゴキブリが好きなら、ゴキブリという「杭」を打ち、ゴキブリという視点から世界を捉え直す。
そこが、オリジナリティや独自性と言われる「強み」になると思います。
なにも出版社から、紙の本を出すことが唯一の自己表現というわけではありません。
たとえば、小説なら、「小説家になろう」や、
ノンフィクションなら、「Story.jp」など、
紙以上に読者に読まれるメディアもあります。
まずは、「杭」「軸」「独自の視点」を積み上げることから始めてみたらいいと思います。
あなたのオリジナルな視点を待ち望んでいる人はかならずいるはずです。
なぜなら、人はひとつは必ず、きらりと光る知見を持っているからです。
できますとも、必ず。